自己破産で車は残せる?売らないといけない?パターン別に解説します
借金が増えてしまい、完済が困難という場合、自己破産という選択肢も出てくるのではないでしょうか。一方で、自己破産をすることで、今乗っている車を手放さなければならないのか不安に思っている方もいるかと思います。
実は、自己破産の際に必ず、車を手放さなければならないということではありません。本記事では、どのような場合に、車を手放す必要があり、どのような場合に車を残すことが出来るのか、パターン別に解説を行います。
この記事を見ていただくことにより、
- 自己破産の際の財産への影響
- 自己破産をした場合でも車を残すことが出来るパターン
- 自己破産による車の所有権以外の影響
以上について理解が深まると思います。この記事が参考になれば幸いです。
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目次
自己破産をすると所有している車はどうなるか?
まずは、自己破産をした場合に、車がどのなるのか原則的な解説を行います。併せて、個人再生、任意整理との違いについても解説をします。
自己破産とは?
自己破産とは、多重債務状態になり支払が不能といえる場合に、自己の資産を平等に債権者に分配し(破産手続き)、残債務は免責される(免責手続き)、裁判上の手続きをいいます。
このうち、破産手続きでは、破産者の資産を債権者に平等に分配を行うということがなされるため、破産者の車も資産として換価され債権者に分配をされることが原則となります。
個人再生との違い
個人再生も借金を減額する手続きであり、裁判所を通じて行う点で、自己破産と類似した手続きといえます。しかし、自己破産は、借金をゼロにすることができる一方で、個人再生では、最大で5分の1までしか、借金を減らすことが出来ません。
また、自己破産では、破産者の財産は全て処分をされることになるのが原則ですが、個人再生では、財産を処分する必要は無く、手元に残すことが出来るという点が異なります。
任意整理との違い
債務整理の一つに任意整理という方法もあります。任意整理は自己破産や個人再生と異なり、裁判所を通じて行わないことに最大の違いがあります。
任意整理では、裁判上の手続きでない点で、債務額を大きく減額することもできませんが、資料の収集など手間のかかるものは無く、また、一部の債権者にだけ任意整理するなど、柔軟な解決をすることもできます。
加えて、任意整理では、いかなる財産を持っているかという点は全く考慮されませんので、自己の車を所有していても影響は出ません。
手続きの違いによるまとめ
以上の様に、借金を減額する手続きとしては、自己破産の他にも個人再生、任意整理とあります。しかし、借金をゼロにする手続きとしては、自己破産しかありません。
一方で、自己破産では、自己の財産は換価されますので、原則として車を手放す必要があります。車を残しておける例外的な場面については、「3.ローンが残っていない場合の車の所有について」以下で詳しく解説をします。
ローンが残っている場合の車の所有について
車を購入する際は、一括で購入をするほか、自動車ローンを組んで、分割で支払をすることもあるでしょう。
ここでは、自己破産をした場合にローン会社との関係について解説を行います。
車はローン会社が引き上げる
ローンが残っている段階で、自己破産手続きをした場合、車は、原則としてローン会社が引き上げることになります。これは、ローン会社とローン契約を締結する際に「所有権留保」という担保を取られていることが理由となります。
所有権留保とは、簡単にいうと所有権をローン会社に残したまま、契約者に車の使用権だけを渡すというものです。
この所有権留保が付いていることで、ローンの支払に遅滞が生じた場合は、車を引き上げる事が出来ます。
所有権留保については、車検証を確認することが一番分かりやすいかと思います。所有者の欄がローン会社になっており、使用者の欄だけ契約者になっているという状態だと所有権留保が付いているということになるでしょう。
自動車ローンだけ、返済することはできない
自動車ローンが残っている場合、そのローンだけを返済すれば、所有権留保によって、引き上げられる心配はないと考えることもできそうです。
しかし、自己破産手続きにおいて、一部の債権者にだけ返済をするということは認められておりません。このような返済は偏頗弁済といわれ、債権者の平等に反するからです。
そのため、自動車ローンが残っている場合に、ローンのみを返済して所有権留保を抹消するということはできません。
第三者による弁済は可能
ローンについて、前述のとおり、破産者は破産手続中に返済をすることはできませんが、第三者が代わって支払をすることは可能です。これを「第三者弁済」といいます。
この第三者弁済により、ローンが完済された場合、所有権留保は無くなり、所有者は、破産者もしくは第三者弁済者になります(ここは契約次第です)。
注意が必要なのは、第三者弁済をしてもらった場合、その第三者に新たな債務を負うことは許されないという点です。つまり破産手続中に新たな借入を行うことは許されません。そのため、第三者弁済をしてもらう場合は、あくまでも「援助」としてしてもらう必要があります。
また、第三者弁済により、所有権が破産者に移った場合、詳しくは後ほど説明しますが、車の価値によっては、裁判所から処分をされてしまう可能性もあります。
そのため、第三者弁済をしてもらう際には、必ず依頼をした弁護士と相談をしながら進める必要があります。第三者弁済をしてもらえると喜んで、安易に第三者弁済を受けると、破産手続きに悪影響が出るおそれもあります。
ローンが残っていない場合の車の所有について
自動車ローンが既に完済をされている場合は、既に車は破産者の所有になっていますので、シンプルな処理になります。
以下のように一定の資産価値があるかを検討し、換価されるかが決定します。
現存価値が20万以下 もしくは 初年度登録から5年を経過している場合
破産申立の際に、所有している車の価値が、20万円以下である場合は裁判所によって処分をされることはありません。
ただし、車の査定を破産前にご自身でする必要があり、できれば、複数の会社から査定をもらう方が良いといえるでしょう。
また、複数の会社から査定をもらわなくても、日本自動車査定協会(JAAI)での査定は、信用性が高いと考えられておりますので、そこでの査定結果であれば、複数会社の査定は必要ありません。
初年度登録から、5年を経過している場合も、原則として、裁判所によって処分をされることはありません。
この場合、査定書を提出することも不要ですが、外国産である場合など5年を経過してもなお価値が高いと考えられる時は、査定をして20万円以上の価値があるかを判断することになります。
ただし、この基準は裁判所によって若干異なる運用をされている場合もあります。車の処分について、不安に思っておられる方は、ご自身が破産申立を行う裁判所に問い合わせをする、もしくは、弁護士に相談をする方が良いでしょう。
現存価値が20万円を超える場合
車の現存価値が20万円を超える場合、原則として、破産者の保有している車は換価処分をされます。そのため、破産者の手元に残して置くことが出来ません。
しかし、以下のように車を残す必要性が高く、車の換価処分を行わないことが相当であると認められる場合は、例外的に車を手元に残して置くことが出来る場合があります。
例えば、高齢であって車が必須であるという場合や身体障害がある場合などが必要性の要件として上げられます。
また、車の必要性がある場合でも、さらに相当性の要件も満たさなければなりません。具体的には、現存価値が20万円を超えるものの、それが数万円程度である場合や現存価値と同額を裁判所に支払い、車を破産債権から放棄してもらう場合などが挙げられるでしょう。
以上をまとめますと、車の現存価値が20万円を超えているがどうしても車を残したいと考えた場合、車を残さなければならない必要性、それが、債権者の不平等でないという相当性を個別具体的に説明をして、裁判所から例外的な扱いを認めてもらうことになります。
家族の車への影響について
ご家族が車を所有している場合、その車の影響についても気になるかと思います。そこで、家族の車への影響について、解説をします。
家族の車が処分されることは基本的に無い
結論から言ってしまうと、破産者が破産をしたとしても、家族の車には影響をしません。なぜなら、債務を負っているのは、あくまでも破産者だけですので、それ以外の家族や第三者の財産は関係が無いからです。
ただし、家族の車であっても破産者が殊更に購入費用などを出しているときは、その家族に破産者が返還請求権を有していると考えられ、管財人から、家族に対して代金の返還を求めるということもあります。
借金が増大した経緯の中に、家族の車を購入した等といった事情がある場合は、破産申立をする際に、注意が必要となります。
申立直前の名義変更は、財産隠しを疑われる
上述のように、破産者名義の車で無ければ破産手続きの際に、処分をされることはありません。しかし、車を残すために、便宜上家族に対して、車の名義変更をすれば良いということでも無いので注意が必要となります。
破産申立書には、家族の名前等を記載する欄があり、また破産者名義の車だけでは無く、破産者が使用をしている車を記入する欄があります。このような書面に嘘の記載をすることは、最悪の場合、免責が認められないおそれもあり、絶対にしてはなりません。
直前に名義変更をするということは、財産隠しなど不当な目的であることが強く疑われます。もし、やむを得ずに名義変更をしてしまった場合には、その理由をきちんと説明する必要があるでしょう。
車の所有以外の影響について
最後に、破産における車との関係で、所有以外の点について解説を行います。
将来、車を所有したいと考えた場合に自動車ローンを組むことができるか、ETCカードなど、車に関係のあるカードなどは作ることができるのかという点について以下記載をしております。
将来、自動車ローンが組めない可能性がある
破産手続きを行うと、信用情報に事故情報が載ることになります。一般的に、このように、信用情報に事故情報のことを「ブラックリストに載る」と言ったりします。
この信用情報は、銀行や消費者金融、クレジットカード会社が審査をする際に参考をしますので、このような事故情報が載っていた場合、信用がないと判断され、自動車ローンを組めない可能性があります。
事故情報は、自己破産の免責許可確定日から、5年~10年間登録をされるといわれております。そのため、将来的に自分名義で自動車ローンを組みたいと考えている方は注意が必要です。
なお、信用情報については、CIC、JICC、JBAの各Webサイトに詳しい取得方法が記載されておりますので参考にしてください。
クレジット契約でのETCカードが使用できなくなる
上記自動車ローンと同様に、事故情報として信用情報に載っているため、クレジット契約でETCカードを使用することも困難であるといえます。
ただし、ETCカードに関しては「ETCパーソナルカード」を利用する事ができます。これは、ETCカードの申込後に保障金を入金(デポジット)することにより、通常のカードと同様に銀行口座から引き落としがされ、ETCカードとして使うことが出来ます。クレジットカードとは異なるもので、ブラックリストに載っていても問題なく利用をすることが出来ます。
また、ETCカードであっても家族カードなどであれば、使用することは問題ないでしょう。
まとめ
本記事では、自己破産による車の所有についての影響について解説をしてきました。
自己破産を申し立てると原則として、車は手放す必要があります。しかし、例外的に車を手元に置くこともでき、実際に、車の価値が既にほとんど無い場合も多く見受けられます。
破産手続きを行う際には、しっかりと弁護士に車がどうなるのかを確認し、思わぬ不利益を被ることないようにしましょう。くれぐれもご自身の判断で勝手に車を処分してしまうということが無いように気を付けてください。
借金トラブルを解決する情報については、こちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。⇒《参考》債務整理に関する記事一覧|法律相談ナビ
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