メーカーオプションとディーラーオプションの違いとは？

オプションとは？

オプションとは、車種やモデルごとに必ず備わっている標準装備に加えて、ユーザーの必要に応じて取り付ける装備のことです。人によってニーズが異なる装備品をオプションとすることによって、車両価格を抑えています。

オプションの種類は大きく分けてメーカーオプションとディーラーオプションの2つです。メーカーオプションは装着に大規模な加工が必要であり、ディーラーオプションは取り付けが比較的容易であることが特徴です。

それぞれの特徴やどんな装備があるのかを紹介していきます。

メーカーオプションとは？

メーカーオプションは、メーカーの工場製造ラインにて出荷前に取り付けられるもののことです。メーカーオプションには、以下のようなものがあります。

• サンルーフ
• 追加エアバッグ
• 本革シート
• 自動安全システム
• スマートキー
• メーカー純正カーナビ
• 先進安全装備
• アクセサリーコンセント
• ボディカラー

メーカーオプションは特別仕様となり、生産工程が増えることから高額になる傾向にあります。直接ボディに加工を施すなど、製造ラインでなければ取り付けが難しく、納車後の追加や変更は基本的にできません。契約が完了すると工場にて製造に入ることから、契約後のキャンセルや変更も納車後同様にできなくなっています。

ディーラーオプションとは？

ディーラーオプション（販売店装着オプション）は、ディーラーが独自に用意しているオプションであり、納車の前にディーラーの工場にて取り付けを行います。ディーラーオプションは、以下のような装備です。

• フロアマット
• ナンバーフレーム
• シートカバー
• ドアバイザー
• コーナーポール
• オーディオ
• メーカー純正カーナビ
• ETC
• ドライブレコーダー

ディーラーオプションはメーカーオプションよりもバリエーションが豊富で、納車後の追加注文が可能です。またOEM（※1）による製品も多く、社外品であっても性能が変わらないものもあります。

ディーラーオプションはディーラーへの利益が多いことから、値引きの代わりにディーラーオプションがサービスされたり、値引き交渉がしやすかったりするのが特徴です。フロアマットやナンバーフレームがよく充てられるケースが多いです。

※1…製造元が他社で必要な製品やブランドを製造すること。また、受託側企業のことを指す

メーカーオプションとディーラーオプションの違い

車種に特化しており、高額であることが特徴であるメーカーオプションに対し、ディーラーオプションはバリエーションが多岐に渡り、汎用性があり、お手頃な装備であるといえます。

メーカーオプションとディーラーオプションの違いを理解しておくと、ディーラーにて取り付ける装備を、ムダやモレがなく選べるようになるでしょう。

下記ではそれぞれの違いを詳しく説明します。

取り付けのタイミング

メーカーオプションとディーラーオプションでは取り付けるタイミングが異なります。

メーカーオプションは車体の製造時、一方ディーラーオプションは納車後の取り付けです。

メーカーオプションは、配線の組み込みやボディを加工する必要があり、後付けが困難です。製造ラインにて取り付けを行わなければならないため、契約時に注文しておかないと取り付けられません。反対に、キャンセルして外すこともできません。

一方、ディーラーオプションは、納車後の完成品に取り付けるので、納車後の追加が可能で、キャンセルにも応じてもらえる場合があります。

価格

メーカーオプションは、数十万円かかる先進安全装備など、全体的に高額なオプションが多いです。メーカーオプションとディーラーオプションでは、純正カーナビのように、同じ種類の装備が用意されているものもあり、価格は一般的にメーカーオプションのほうが高く設定されています。

メーカーオプションは製造コストが高いことから価格も高くなっていますが、売却時の査定に評価額も高くなりやすいのがメリットです。

ディーラーオプションは、ディーラーが独自に仕入れから価格設定を行えることから、比較的リーズナブルです。なお、追加での装着に対しては工賃がかかるので、契約時の注文がお得です。

課税対象か否か

オプションの装備によって、環境性能割および自動車重量税などの税金が高くなることがあります。環境性能割は、車両本体価格に対しその車両の燃費に応じて0～3%をかけた金額が課税される仕組みです。

オプションの中には車両本体価格に組み込まれるものがあり、環境性能割が多く課税されます。オプションは車両本体とみなされる「付加物」と、別とされる「搭載用品」に分けられ、ボルトによる固定が必要であれば付加物、固定が不要なら搭載用品という判断です。

車の重さに応じて課税される自動車重量税は、メーカーオプションによっては車体の重量が重くなることで、高くなることがあります。

見た目の統一感

車種ごとに設計されたメーカーオプションは、装備によって統一感のある仕上がりになることが特徴です。埋め込み式のカーナビはダッシュボードへの収まりがよく、車内の雰囲気に合った本革シートの色味などは一体感があります。

メーカーオプションのデメリットは、配線や取り付けが複雑になりがちであり、修理や交換が困難なことです。

一方、ディーラーオプションは統一感では劣るものの、汎用性があることから交換がしやすく、バリエーションも豊富なことがメリットといえます。

メーカー製の人気オプション

メーカーオプションは純正カーナビや先進安全装備など、車の印象や機能を決定づける重要な装備であることから、じっくりと吟味して選びましょう。

特に安全装備は取り付けることが推奨されており、より安心して運転するために付けておきたいオプションです。ここでは、メーカーオプションの中でも、人気の装備を紹介します。

メーカー純正カーナビ

カーナビは車内において、特に目立つオプションであることから、収まりがよく統一感のあるメーカー純正品が人気です。リアカメラなどのモニター機能と連動したり、ハンドルでの操作が出来たりと、機能性が高いです。

見た目がスタイリッシュなものが多く、メーカー独自の演出があるなど、機能性だけでなく、車内の雰囲気を引き立てるインテリアとしての役割も果たします。純正カーナビであれば、通常1年間の保証であるところが、3年間のメーカー保証を受けられることもメリットです。

一方で、カーナビに不満があっても交換しにくいというデメリットがあります。

最近では、スマホのナビアプリなどの充実により、「カーナビは不要」という方も増えてきました。スマホのナビアプリでもし事足りるのであれば、無理して付ける必要はないでしょう。

衝突被害軽減ブレーキ

衝突被害軽減ブレーキは、衝突が予期される場合に自動的にブレーキをかけてくれるシステムであり、事故を未然に防ぐ機能として注目されています。

最近耳にすることが増えた「サポカー」は衝突被害軽減ブレーキを搭載した車のことで、「サポカーS」はこれに加えて踏み間違い時加速抑制装置などを搭載した車のことです。

これらの機能を標準装備した車種がある一方で、オプションとなっている車種もあります。比較的高額ではあるものの、このシステムによって事故率が減少したという報告もあるため、ぜひ付けることをおすすめします。

ディーラーオプションでも問題ない装備

メーカーオプションが選ばれる理由として、車との一体感がありデザイン性に優れていること、連携による機能性の高さなどが挙げられます。

一方、メーカーオプションと機能が変わらないものや、あまり重視していない機能であれば、価格がリーズナブルであるディーラーオプションがおすすめです。

ここでは、ディーラーオプションで選ぶことが多い装備を紹介します。

ドライブレコーダー

ドライブレコーダーは、突然の事故やトラブルの被害に遭った際、状況の記録ができるものです。メーカーオプションでは、モニターやセンサーを利用した駐車アシスト機能が搭載されているものもあり、便利な反面、価格が数十万円と高いものもあります。

ドライブレコーダーとしての機能だけであれば、ディーラーオプションでも差し支えはありません。故障した際は、ディーラーが窓口となって対応してくれることもあるでしょう。

ただし、フロントだけしか取り付けられず、リアに取り付けられない車種もあり、その場合は、あおり運転や追突事故の記録ができないため注意が必要です。

オーディオ

メーカーオプションのオーディオ機能は、車種に合わせたスピーカーシステムとなっており、包み込まれるような臨場感を体感できるスピーカーシステムです。しかしながら、純正カーナビや他のオプションとのセット装備となっていることがあり、価格は高くなる傾向にあります。

一方、ディーラーオプションは、メーカーオプションよりも豊富な種類から選べることから、比較的リーズナブルな価格でありながら、より好みに近い音質のシステムを取り付けられます。

まとめ オプション選びで重要なこと

オプションで欲しいものがあれば、多少は費用が高くなっても装備することで後悔せずに済みます。特にメーカーオプションは後付けができないことから、中途半端に節約をすると後悔してしまうでしょう。

メーカーオプションを装備する代わりに、重要でないオプションを外す、ディーラーオプションあるいは社外品にするなどでも節約が可能です。どうしても外せない装備と妥協できる装備を明確にしておくことで、商談の際に決めやすくなります。

衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備は、大切な命を守るためのものです。長く乗る車だからこそ、安全性は重要なポイントになります。

なお、人気の高いメーカーオプションを装備した車は、売却の際も買取価格が高い傾向にあります。

利用頻度と費用を考慮しながらも安心と納得が得られる自分にあったオプション選びを心がけましょう。

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