クレジットカード払いで車を購入するメリット・デメリットを解説

車の購入にクレジットカードは使用できるのか？

車の購入にクレジットカードを使用することは店舗によって可能な場合があります。新車購入の場合、頭金の支払いを一括または分割払いにて行える場合がありますが、新車購入の一括払いは基本的にできません。

その理由は、カード払いで発生する店舗への負担によるものです。カード払いの場合、店舗がクレジットカード会社へ購入代金に応じた決済手数料を支払うことになります。決済手数料は購入代金に比例して大きくなるのが特徴です。高額商品である新車になると店舗の負担が大きくなってしまいます。

このように決済手数料が利益を圧迫してしまうことから、一括払いできないことがほとんどです。

一方、中古車を購入する場合は、店舗によってはクレジットカードにて一括払いが可能なこともあります。中古車の販売価格は新車に比べて安く、決済手数料もそれにともなって抑えられるからです。

また、中古車は仕入れ価格の変動が新車に比べて大きいことから、販売価格の調整がしやすく、店舗によっては決済手数料を想定した価格設定としているところもあるため、一括払いが可能な店舗もあります。

カード払いで車を購入するメリット

カード払いで車を購入するメリットは次の3点です。

1. ポイントがたまる
2. 支払いを後ろ倒しできる
3. 利用実績が伸びる

ローンのように購入の際に審査がないカード払いは、決済方法としてお手軽であることから利用を検討する方も多いでしょう。決済金額が大きくなると、還元されるポイントも多くなることから、支払い可能な金額はカード払いにするのがお得です。

ポイントがたまる

カードで支払うと、カード会社規定の還元率でクレジットカードのポイントがたまります。購入代金に対してたまるポイント数の割合を還元率といい、還元率は0.5～1%程度が大半です。

たまったポイントは、家電や食料品などの商品、ギフトカードや商品券といった金券への交換や関連サービス料金の支払いなどに利用できます。

また、トヨタやホンダなどの自動車メーカーが発行しているディーラー系のカードなら、毎月の車購入代金の支払いに使うことも可能です。

200万円の新車購入で車両価格の30%分の60万円を頭金とした場合、頭金を還元率0.5%のカードで支払うと3,000ポイント、還元率1%のカードだと6,000ポイントがたまります。

支払いを後ろ倒しできる

まとまった金額が今すぐ用意できないものの、早く契約したいときにカード払いにすることで、現金の支払いを翌月末や翌々月末に後ろ倒しできるのもメリットです。

たとえば、3月や9月の決算期であれば、ディーラーは販売台数を伸ばすために、通常よりも多く値引きしてくれることがあります。決められた販売台数を達成することで、メーカーからディーラーへ報奨金が入るため、ディーラーは値引きをしたとしても販売台数を達成したいわけです。

しかしながら、手持ち金額が少ないために頭金が支払えず、契約を先延ばしにすると決算時期を過ぎてしまい、期待した値引きが無効になってしまいます。

このように即決したい場面においてカード払いができると便利です。

利用実績が伸びる

クレジットカードを利用することで、個人の信用につながる利用実績が増えます。

利用実績は、カード会社および信用情報機関にて記録されており、利用実績を積み重ねることにより、支払い能力の高さを証明できます。

利用実績は住宅ローンの審査にも使われることから、実績を作っておくことは重要です。

利用実績を重ねることで、クレジットカードのランクアップも期待できます。クレジットカードがゴールドやプラチナへランクアップすることで、利用限度額の引き上げや、旅行保険の充実、宿泊施設の割引などの特典が受けられます。

カード払いで車を購入するデメリット

カード払いで車を購入するデメリットは、次の5点です。

1. 店舗によっては使用できない場合がある
2. 基本的に新車購入において一括払いはできない
3. リボ払いや分割払いは金利が高い
4. 支払額が利用限度額を超えていないか確認が必要
5. カード利用料などが取られていないか注意が必要

カード払いにおいては、店舗に決済手数料が発生することや限度額により、利用できる金額が限られます。

一括払いの場合、決済金額に応じてポイント還元率が大きくなるので、利用するメリットが多いでしょう。

一方、リボ払いや分割払いは金利が高い傾向にあります。一括払い以外での決済を希望する方は、次項で紹介する方法も検討してみましょう。

店舗によっては使用できない場合がある

決済手数料が利益を圧迫することにより、ディーラーや中古車販売業者、仲介業者によってはカード払いを受け付けていない場合もあります。店舗の経営状況によっては手数料を支払う余裕がなく、金額に関わらずカード払いを断っている業者もあるでしょう。

自動車小売業界における営業利益は3%程度なので、販売価格の3～5%もの決済手数料は負担が大きくなるかもしれません。

カード払いが可能であるかどうかは、購入前に確認しておきましょう。

基本的に新車購入において一括払いはできない

基本的に新車を一括払いで支払うことはできない場合がほとんどです。なぜなら、カード払いによりディーラーの利益は大きく減るからです。

たとえば、200万円の新車をクレジットカードにて一括払いした場合、利益率20%、決済手数料5%として計算すると、40万円の利益のうち10万円が決済手数料の支払いへ回されます。

残った利益から人件費などの販売管理費を差し引くと、ほとんど利益が残らなくなってしまいます。このように、ディーラーの負担が大きくなることから、新車購入においては一括払いができないのです。

リボ払いや分割払いは金利が高い

金利はリボ払い・分割払いともに、年率12～15%ほどと高いです。万が一返済が遅れると、利用実績に記録され、信用を下げることになってしまいます。

リボ払いは、月々の返済金額を決めて無理なく支払いを進める方法で、定額方式と残高スライド方式があります。

定額方式は、月々の返済金額を一定にし、各回に手数料を組み込むものであり、返済回数が多くなるほど支払い総額が大きくなります。

残高スライド方式は、支払い残高に応じて月ごとに返済金額が変わる仕組みとなっており、支払い残高が大きくなるほど手数料も増えます。

分割払いは、支払い回数を決めて毎月分割にて支払いを行う方法で、分割回数が多いほど手数料によって支払い総額も大きくなります。

返済が中長期に渡る場合は特に、環境の変化にも対応できるよう、余裕をもった返済計画を立てることが大切です。

支払額が利用限度額を超えていないか確認する

車の頭金や中古車購入代金は数十万円からと高額であることがほとんどです。カード払いを利用する時は、クレジットカードの利用限度額を超えないか事前に確認しましょう。利用限度額を超えるようであれば、クレジットカードによる支払いはできません。

また、利用限度額が頭金の支払いによって減少することから、家賃や公共料金の支払い時に利用限度額を超えることも考えられます。

利用限度額が足りない、不足するおそれがある場合は、カード会社へ申請することで利用限度額の引き上げが可能です。ただし、引き上げには審査に通る必要があり、審査にはある程度の日数を要します。

カード利用料などが取られていないか確認する

決済手数料を店舗が消費者へ請求することは、加盟店規約によりカード会社から禁止されています。

万が一、店舗から決済手数料がかかると説明されたり、支払い明細に決済手数料が入っていたりする場合には、店舗に説明を求めましょう。

納得できる説明がもらえなかったり、返金してもらえないなどの場合には、カード会社へ連絡するのが得策です。カード会社より後日、店舗に対して是正指導が行われます。

クレジットカード以外の選択肢

クレジットカード以外で車を購入する選択肢は、次の3つです。

1. 現金払い
2. カーローン
3. カーリース

現金払いは金利がかからないものの、一気に手持ち資金が減ることから、購入後の資金繰りを確認しておきましょう。

毎月コツコツと返済していきたい方は、車の利用頻度や乗り換え計画に合わせて、自動車ローンやカーリースを選ぶのが良いでしょう。

現金払い

現金にて一括払いを行う最大のメリットは、金利がかからないことです。金利がかからないことで、手数料を支払う必要がなく、支払い総額が抑えられます。購入後すぐに所有権を持てることもメリットです。

一方、現金一括払いのデメリットは、手持ち資金が大幅に減ることです。

支払い後にも車検や自動車税、駐車場代などの維持費は発生します。支払い後でも生活に差し障りがない程度に資金が確保できるかは確認しておくべきポイントです。

また、手持ち資金の範囲でしか車種を選べないこともデメリットです。

自動車ローン

マイカーローンやオートローンなどと呼ばれ自動車ローンは、金融機関やディーラーの制度により購入代金を分割して支払うものです。

自動車ローンのメリットは、一度に支払う金額が抑えられるので、手持ち資金が少なくても車を購入できたり、手持ち資金に依らずに車を選べたりすることです。

また、ディーラーで組むことができるディーラーローンが成約すると、信販会社からディーラーにインセンティブが支払われることから、車の値引きがしやすい場合があります。

一方、デメリットは金利がかかることで支払い総額が増えることです。ローンの種類により金利は1.5～15%と差があり、銀行系マイカーローン、ディーラーローンの順に金利が高くなります。

ディーラーローンの場合は、ローンを完済するまで車の所有権がディーラーや信販会社となり、完済するまで車を売却できないことには注意が必要です。

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カーリース

カーリースとは、月額料金を支払うことで、マイカーのように車を所有できるサービスです。選べる車種も豊富で、新車から中古車まで選べます。契約期間はサービスや契約により異なり、数ヶ月から10年程の設定が可能です。契約期間が長くなるほど月々の支払いが安くなる傾向があります。

メリットは頭金が不要であることと、自動車税、自賠責保険料、登録諸費用などの経費が月額料金に含まれていることです。

一方、主なデメリットは、次の4点です。

1. 返還する際に指定されている以上の走行距離になっていると違約金が発生する
2. キズや凹みがあると現状回復が必要
3. 支払い総額が購入するよりも高額となる場合がある
4. 解約や契約年数の変更ができない

以上のことから、通勤通学で毎日利用する方よりも、子どもの送り迎えや休日に絞った利用など「ちょい乗り」指向の方に向いているといえるでしょう。

まとめ

車の購入は住宅や不動産についで高額な買い物となります。カード払いのメリットをうまく活用して、クレジットカードをお得に利用しましょう。

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