廃車予定の車のパーツの取り外しはお得?関わる法律やパーツ買取の状況を解説

いまお乗りのお車の廃車を検討している方の中には、パーツを取り外して次の車に利用するか、売却するか悩む方もいるでしょう。取り外したパーツが高く売却できるのかや、廃車のパーツはどこまで取り外せるのかも気になるかもしれません。

この記事では、廃車予定の車のパーツで取り外せるものと外せないものについて説明するとともに、お得にパーツを売却する方法まで紹介します。

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車には取り外しできるパーツと取り外しNGのパーツがある

車のパーツには、取り外しできるもの取り外してはいけないものがあります。わかりやすい基準としては、取り外しても車検に通るパーツであるかどうかです。

廃車の部品取りをする際には、それが取り外せるパーツであるかどうかを確認してから行いましょう。

後付けのパーツは取り外しできる

取り外し可能なパーツは以下に示すカテゴリーのものが一例で挙げられます。

  • 音楽・映像機器
  • ETC車載器
  • ドライブレコーダー
  • エンジンスターター
  • カーセキュリティ機器
  • 日よけ部材

基本的には走行に直接影響しないパーツが取り外しできます。具体的には、カーオーディオやカーナビなどの音楽・映像機器、ETC車載器、ドライブレコーダー、エンジンスターター、盗難防止装置などのカーセキュリティ機器などです。

上記以外のパーツでも、社外品を取り付けるようなカスタムをしている場合、純正品を代わりに取り付けるなら取り外しができます。ただし、取り付けを行わない場合は違反となるので注意しましょう。

車の駆動に関するパーツは取り外しできない

一方、取り外しできないパーツは以下のようなものです。

分類 パーツ
エンジン系 マフラー・バッテリー
走行系 タイヤ・ホイール・シャフト・ABS
電装系 メーター・エアコンパネル
外装系 ドア・ガラス・ミラー・ライト
内装系 エアバック・シート・ハンドル

エンジン系統、電装系など走行性能や内装系などの生命に関わる重要なパーツは取り外ししてはいけません。取り外せるのは外しても車検に通るパーツのみです。

シートなど、カスタム目的で取り外す場合は、純正に戻せるように取り付けるなら取り外せます。ただし、取り外した状態で放置することは違法なので気を付けましょう。

ナンバープレートは廃車時に陸運局・軽自動車検査協会へ返納する

車を廃車にする際には、普通車は陸運局、軽自動車は軽自動車検査協会へナンバープレートを返納しなければなりません。ナンバープレートの返納は、道路運送車両法で定められており、返納の義務があります。

返納が義務となっているのは、ナンバープレートを付け替えて走行されることを防ぐためです。

乗らなくなった車の車検が切れたとしても、ナンバープレートを返納しない限り、自動車税の納税義務は発生するので、返納しておきましょう。

廃車時のパーツの取り外しには法律が関わっている

廃車からパーツを取り外す際には、法律に抵触していないか気を付けることが重要です。パーツの取り外しに関する法律には、自動車リサイクル法と廃棄物処理法があります。

これらの法律に違反すると厳しい罰則が適用されるので、十分に注意しましょう。

自動車リサイクル法

2005年1月から施行された自動車リサイクル法は、資源のリサイクルを適切に行えるよう、車の所有者や業者に役割を定めた法律です。

リサイクル法によって資源が循環するリサイクル型社会を実現するとともに、自動車の不法投棄を防ぐことを目的としています。

解体から自動車として再生するまでの工程が法律で決められているため、許可を受けていない個人が勝手に解体をすることは違法です。都道府県に申請して許可を受けている登録業者のみが、パーツを取り外せます。

リサイクル法に抵触しないのは後付けした付属品とされているので、個人が取り外せるのは付属品のパーツのみです。

廃棄物処理法

廃棄物の処理方法を定めた廃棄物処理法は、廃棄物の処理および清掃に関する法律のことです。事業活動によって増える廃棄物による環境被害を防ぐために制定されました。

廃棄物の処理に関して運搬方法から分別方法など、細かく規定されています。個人でパーツを取り外すと、廃棄物処理法に抵触する可能性があるため注意が必要です。

たとえば、取り外したエアバッグなどは廃棄物とみなされ、個人で処分すると違法とされる可能性があります。

法律に違反した場合は罰金・懲役が科せられる

自動車リサイクル法や廃棄物処理法に違反すると、罰金または懲役が科せられます。自動車リサイクル法の違反による刑罰は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。廃棄物処理法に違反すると、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科せられます。

このように、法律に抵触すると厳しい罰則が適用されることから、パーツの取り外しは付属品のみにしておきましょう。

取り外したパーツの使い道

取り外したパーツの使い道として考えられるのは、中古カー用品店で買取をしてもらったり、オークションやフリマアプリなどで売却したり、乗り換える車で引き続き使用したりすることです。

パーツを装着したまま売却することでも、査定で有利になるかもしれません。パーツによっては取り外して単体で売却する方が高く売れることもあります。人気のあるパーツや高価なパーツなら、高値で売却することも可能です。

ただし、純正カーナビなどのメーカーオプションは、取り付けられる車種が限定されることから汎用品と比べると売れにくい可能性があります。

また、売却するパーツによっては、動作確認を行った証拠がなければ売却後にトラブルになったり、ジャンク品として二束三文でしか売れなかったりするので注意が必要です。

パーツの取り外しは業者にお願いしよう

パーツは取り付け時にしっかりと固定されている場合があるので、取り外しは業者に依頼するのがおすすめです。個人で取り外す際に、無理矢理引っ張るなどして取り外すと、パーツが傷ついたり破損したりしてしまう可能性があります。

パーツを傷つけたり破損してしまったりすると、売却時の価値が下がるだけでなく、次の車で使い回すこともできません。カーナビやカーオーディオなど配線が複雑なパーツもあるので、業者に依頼するのが確実でしょう。

パーツを取り付けたまま売却した方がお得になる傾向にある

パーツを取り外す目的として売却による換金がありますが、実はそのまま売却する方がお得なこともあります。

取り外さずに取り付けたまま売却するとお得になるのは、パーツの取り外しにかかる費用がかさむ場合と、付属品が付いた状態の方が中古車として査定額が上がる場合です。

廃車と考えていた車が実は中古車として値段が付くこともあるので、中古車の買取業者へ相談してみるとよいでしょう。

パーツの取り外しには費用が発生する

パーツの取り外しを業者へ依頼すると費用が発生します。作業内容によっては無料で行ってもらえる場合もあるものの、基本的には費用が掛かると考えておいた方が良いでしょう。

工賃の相場は3,000円~10,000円程度が目安とされていますが、カーナビやカーオーディオなどで配線が複雑なパーツの場合、10,000円以上になることもあります。

そのため、売却によって得られる利益よりも取り外しに掛かる費用の方が高くなり、トータルでみると赤字となってしまうこともあります。取り外すかどうかは、パーツの相場を確認してから決めるとよいでしょう。

パーツのみだと金額がつかないケースもある

後付けできるパーツは新商品が発売されるまでの期間が短く、すぐに価値が落ちてしまいます。たとえ購入したときの金額が高かったとしても、数年経って売却するときに価値がなくなっているケースが大半です。

特に、カーナビなど自分で取り外すことが難しいパーツであれば、業者へ依頼するお金もかかるので、トータルで赤字になりやすいでしょう。安価で高性能な商品が発売されていることもあるので、中古品として売れにくいこともデメリットです。

パーツ付きの車のほうが高額で買取されるケースもある

廃車として処分することを考えていた場合でも、実際に買取業者へ査定してもらうと、中古車として売却できることがあります。

中古車として売却する場合は、オプションパーツが付いていることで査定額がアップするケースも多いです。

特に、パーツ単体で売却しにくい純正カーナビなどのメーカーオプションは、取り外さない状態の方が高評価につながりやすいでしょう。

まとめ

たとえ廃車にする車であっても、自由に取り外せるパーツは法律によって制限されています。取り外す際には違反とならないように、付属品にとどめておきましょう。廃車と考えていた車が実は中古車として売れることもあり、その場合にはパーツを付けたままの方が査定に有利です。

パーツを取り外すにも手数料で赤字になったり、売れなかったりすることもあるので、まずは中古車買取業者へ相談して、中古車として買い取ってもらえるかを確認するのがよいでしょう。

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