アルトワークスの買取相場・査定価格

アルトワークスは、スズキが販売するスポーツタイプの軽自動車です。ベースとなっている車種はアルトで、アルトラパンやアルトバン、アルトエコなど多数の派生車種が存在し、アルトワークスもそのひとつです。

アルトワークス自体は2代目アルトで初登場し、4代目まで販売され、ベース車のフルモデルチェンジのタイミングで廃止となっていましたが、8代目アルトへのモデルチェンジに際し15年ぶりに復活しました。したがってアルトワークス自体は5代に渡る車種となっています。

今回は、アルトワークスの車種の特徴とあわせて、買取売却のポイントについてご紹介します。

初代モデル(CC72V/CA72V)

初代アルトワークスは1987年に登場し、ライバル車であるダイハツ ミラのハイパフォーマンスグレードであるTR-XXが50馬力を出したことに対抗して開発され、のちに軽自動車の性能を世に知らしめる1台となります。

パワーユニットには、F5A型550cc水冷直列3気筒DOHC4バルブインタークーラーターボEPIエンジンを搭載し、64馬力を発生させます。

通常モデルより容量の大きいラジエーター、ローコンプピストン、強化コンロッド、強化鍛造クランク、水冷IHI製RHB31CWタービン、EPI、アルミ製インタークーラー等のチューニングが施されています。

当時の軽自動車の排気量は550ccであることを踏まえると破格の性能であると言えます。また、現在まで続く軽自動車の64馬力の自主規制を作るきっかけにもなりました。

グレードは、FFの「RS/S」と「RS/X」、フルタイム4WDの「RS/R」の3種類が用意されていました。FFはCA72V、4WDはCC72Vと型式で見分けが付くようになっています。また、「RS/X」と「RS/R」はエアロ装着グレードとなっています。

2代目モデル(CL11V/CM11V)

1988年9月にアルトのフルモデルチェンジが行われ、それに伴いアルトワークスも新しくなります。先代とは異なり、専用のデザインが用意されています。丸目2灯のヘッドライトにエアロバンパーといった外観で、「アルトワークスといえばこのデザイン」と印象づけられたモデルです。

パワーユニットは前期モデルは先代同様、F5A型エンジンが搭載されます。1990年になると新規格に適合する660ccのF5B型エンジンへ入れ替わりが行われます。

駆動方式は先代同様FFと4WDの2種類です。

また、先代からこのモデルの550ccモデルまでは、4ナンバー登録となります。

グレードは「RS/S」「RS/X」「RS/R」の3つが先代モデルより続投となり、新たにシングルカムターボの「S/R」「S/X」が追加されます。この2グレードにはパワーステアリングが装備され、より扱い易くなっています。

このモデルでは、特別仕様車がいくつか発売されています。

まずは「ワークス ターボi.e.」です。「ワークスRS/X」をベースとし、エアコン、パワーステアリング、専用アルミホイールなどを装備します。またエンジンはSOHCインタークーラーターボエンジンが搭載されます。後にこのグレードはカタロググレード化します。

さらにその後「ワークス ターボi.e.」をベースにした特別仕様車「ワークスFスペシャル」が登場します。

ほかにも「ワークスR」があります。ラリー仕様の特別仕様車で、4WDのみとなっています。専用型式として「CM22V」が用意されました。このモデルは全日本ラリー選手権でダイハツ ミラ X4R（クロスフォーアール）に対抗するために開発されました。

通常モデルからの変更点はミッションはクロース化・ローファイナル化が図られ、フロントマフラー、専用タービン、ビックスロットルなどに加え、専用コンピューターとなっています。

内装は軽量化が行われており、アンダーコートすら無い状態の、まさに競技車両といった仕様になっています。

ほかにも車体色がホワイトのみ、ドアミラーは樹脂のまま、スチールホイールのみの設定など、あらゆる部分が簡素化されています。また660ccモデルですが、4ナンバー登録となります。

このモデルも先代と同様に型式で駆動方式を見分けることができます。旧規格550ccモデルはFFがCL11V、4WDがCM11Vとなります。

新規格660ccモデルは1991年のマイナーチェンジで前後期に分けることができます。

前期モデルはFFがCN21S、4WDがCP21Sとなります。また後期モデルは、FFがCR22S、4WDがCS21Sです。

特別仕様車の「ワークスR」は前述のとおりCM22Vが型式となります。

3代目モデル(HA21S/HB21S)

1994年11月モデルチェンジが行われます。デザインは先代とほぼ同一で、フォグランプやウィンカー周りの意匠の変更など小規模な変更に留めています。

装備品ではそれまではオプションでの選択になっていたパワーウィンドウや、パワーステアリングが標準の装備となり、より快適な車になりました。

大きな変更点として、K6A型エンジンの搭載が挙げられます。F型の後継モデルとなるK6A型エンジンですが、スズキの基幹エンジンとしてアルトワークスをはじめ、ワゴンRやジムニーなど幅広く搭載されるエンジンです。

馬力の自主規制があるため、最高出力は64ps/6,500 rpmに留めています。しかし、後にケータハムに同エンジンが供給された際は80psや96psまで高められていることから、このエンジンのポテンシャルの高さがうかがえます。また、同車初のタイミングチェーンエンジンとなります。

駆動方式はFF、4WDとこれまでと同様です。

3代目アルトワークスも1996年のマイナーチェンジで前期、後期を分けることができます。

グレードは、K6Aツインカムターボの「RS/Z」と、F6Aシングルカムターボの「IE-s」に分けることができます。また、それぞれにFFと4WDを用意します。

さらに先代から続投で「ワークスR」も存在します。鍛造ピストン・ハイカム・大径スロットル・大容量インジェクター・専用コンピューター・HT06タービン・一段増しインタークーラーなどが専用品になっています。さらにクロスミッションが組まれ、馬力こそ64psと変わりないものの、トルクは11.0 kgm/3,500 rpmとなっています。

競技グレードの為、パワステ無し、エアコンがオプションとなっています。

また、先代は4ナンバーでしたが、こちらは5ナンバーとなります。

その他の特別仕様車として、前期型からは「ワークス ターボie/sリミテッド」専用シートやオーディオが装備されます。さらにそれをベースとした「ワークス ターボie/s Fリミテッド」がラインナップされています。こちらは、専用のアルミホイールやカーボン調のパネルなどが追加装備となります。

後期型では「ワークス ターボie/s」をベースとした「ワークス スズキスポーツリミテッド」があります。専用のアルミホイールやバケットシートなど内外装のパーツに専用品を採用しています。

このモデルでは型式で、駆動方式のほかにツインカムかシングルカムの判別も可能となっています。

「HB21S」「HA21S」「HB11S」「HA11S」の4つの型式があります。 それぞれ「HB」が4WD、「HA」が2WD、「21S」がツインカム、「11S」がシングルカムとなっています。

4代目モデル(HA12S/HA22S)

1998年、軽自動車規格の改正によるアルトのフルモデルチェンジに伴い、新たなデザインのアルトワークスが登場します。デザインは涙目を彷彿とさせるようなヘッドライトを採用し、ボディも新規格に合わせて一回り大きくなりました。

搭載エンジンはすべてK6A型エンジンです。モデル初期にはVVTが採用されていました。

グレードは「RS/Z」と「IE」の2種類です。先代まであった「ワークスR」は廃止となっています。

特別仕様車には「ワークス リミテッド」が用意されます。「ワークスie」をベースに、ABSやエアバッグなどの装備を充実化させたグレードとなっています。

また駆動形式は引き続き2WDと4WDが設定されています。

このモデルでは、コストカットの為、2WDと4WDのボディ構造が共通となっています。その為、型式も同一となり、型式による駆動方式の判別ができなくなっています。

「HA22S」と「HA12S」の2種類の型式がありますが、「22S」がツインカムで「12S」がシングルカムとなっています。

しかし販売不振の影響もあり、登場からわずか2年で廃止となり、アルトワークスの歴史はこの4代目で一旦幕を閉じます。しかし、ワークスの名はクロスオーバータイプの新規車種であるKeiに設定された「Kei ワークス」に引き継がれています。

5代目モデル(HA36S)

ベース車となるアルトが8代目となるフルモデルチェンジが行われた後、5代目のアルトワークスは15年の時を経て復活します。「いま、マニュアルに乗る。」をキャッチコピーとし、その痛快な走りと楽しさから高い人気を誇るモデルです。

プラットフォームには「HEARTECT」（ハーテクト）というスズキの軽自動車用第5世代プラットフォームが使用されています。プラットフォームを一からの完全新設計とすることで、従来以上の軽量化を果たしています。

パワートレインにはR06A型エンジンが使用されています。最高出力は47kW (64ps) /6,000rpmです。これは従来のスポーツモデルであるターボRSと同一のエンジンですが、ワークス専用チューンが施され、トルクを上昇させています。

ミッションは5速MTと5速AGS(Auto Gear Shift)の2種類が用意されています。5速MTは、4速までをクロスレシオ化し、ギア比の差を少なくするとともに、専用設計のショートストロークシフトが採用されています。

5速AGSでは、変速スピードの向上の為に、専用チューンを施した変速制御プログラムを使用しています。また、5AGS車には、レーダーブレーキサポートや誤発進抑制装置、エマージェンシーストップシグナルなどの安全装備を標準で備えています。また、4輪ABSやESP（横滑り防止装置）はMT、AGS問わず、全車に標準装備となっています。

足回りには専用チューンがが施されたKYB製のショックアブソーバーを使用。また、FF車にはリヤスタビライザーを装着しています。新車装着タイヤは165/55R15のポテンザRE050A、ホイールにはENKEI製の5Jのアルミホイールを装備します。

グレードとしては「ワークス」のみです。FFと4WDを設定します。

ボディカラーは「パールホワイト」「ピュアレッド」「ブルーイッシュブラックパール3」の3色に加え、専用色の「スチールシルバーメタリック」の4色となっています。

後に「パールホワイト」と「ピュアホワイトパール」が入れ替えになり、「ブリスクブルーメタリック」が専用色に追加となるなどの変更が加えられます。

年式によって1型、2型、3型に分けられます。

• 1型：2015年12月から2018年11月までのモデル
• 2型：2018年12月から2020年9月までのモデル
• 3型：2020年10月以降のモデル

上記のように分類されます。

2型ではボディカラーの入れ替えやオプション設定の追加、3型ではFFモデルの5AGSの廃止などの変更点があります。