未使用車とは？新古車の違い、メリット・デメリットやお得な購入方法を解説

未使用車とはどんな車？

はじめに、未使用車という言葉の定義について再確認しておきましょう。

未使用車とは、正式名称を「登録済（届出済）未使用車」という名称で呼ばれ、新車登録はされているが実際にはまだ使用されていない車両のことを指します。

書類上は中古車の扱いになりますが、一度も使用されていない車のため、走行距離は輸送時に自走する数十km程度と極めて短く、車両のコンディションも新車と変わらないという特徴があります。

車の名義は新車ディーラーや中古車販売店などが多く、販売店が所有者として登録されるケースが多いです。

新古車との違いは？

現在では一般的になった未使用車ですが、以前は「新古車」という表記が多く見られました。両者の違いは一体どんな点があるのでしょうか。

はじめに「新古車」という呼び方は、「新車と変わらないコンディションの中古車」という意味で慣例的に使用され、一般的な中古車よりも走行距離が短かったりや車両状態が良い一方、新車よりも安く購入出来ることから、非常に人気が高いジャンルでした。

しかし、以前は新古車の厳格な基準が無く、一部の店では試乗車や代車として使用された走行距離が長い車も新古車や未使用車として販売されていたというクレームもあったことから、一般社団法人 自動車公正取引協議会では、ユーザーが安心して自動車を購入できるよう適正表示に取り組んでおり、その一環として、消費者に誤解や混乱を与えないために「新古車」や単なる「未使用車」という表現を禁止し、明確な基準のもと、条件に該当する車両のみを「登録済（届出済）未使用車」と表示するように定められました。

自動車公正取引協議会には、多くの自動車メーカーや国産・輸入車ディーラー、中古車販売店などが加入しています。それらの店で「新古車」という表現を使用しなくなったため、店頭では新古車という表現を目にする機会は少なくなりました。しかし、登録済（届出済）未使用車という名称の認知度はまだ低く、新古車という呼び名の方が一般のユーザーにとってはまだまだ馴染みがあるようです。

未使用車が生まれる理由

新車同然の未使用車が生まれ、市場に出回るのはどうしてなのでしょうか。

その理由としては、

などの例があります。

ほかにディーラー名義で登録する例として知られているのは、いわゆる「自社登録車」のケースです。

自社登録車とは、新車ディーラーが販売目標数に応じた販売奨励金を得るために自社名義で登録するというものですが、実際には使用されることがないため新車同様のコンディションを保っています。

なお、自動車公正取引協議会では、一旦ユーザー名義で登録された車や、試乗車・代車としての使用歴がある車を未使用車と表示することを禁止しており、未使用車はまさに「最上のコンディションを保ったお得な中古車」であるともいえます。

未使用車のメリット・デメリット

未使用車としての成り立ちや特徴から、購入する側としては様々なメリット・デメリットがあることは頭に入れておきたいところです。

未使用車を購入するメリット・デメリットを、それぞれの視点から確認しておきましょう。

メリット

新車よりも安く購入できる

未使用車の最大のメリットは新車同様のコンディションの車を新車よりも安く購入できることです。新車ディーラーが販売目標達成のために登録された未使用車は、できるだけ早期に売ってしまいたいという思惑もあるため、売りさばくためにより良い条件で価格を抑えて購入できる場合が多いです。

新車よりも納車が早い

未使用車は受注してから生産される車とは異なり、既に在庫として実車が存在しているため、人気車種であっても納車までの日数が数日から1ヶ月程度と短くて済むというメリットもあります。新車の場合は契約してから生産される事が多いため、一般的な場合でも数週間から数ヶ月、人気車種や生産キャパシティの小さい車種では年単位の納車期間を要することも珍しくありません。

購入時の税金がお得

そのほか、購入時の税金が抑えられるという点もメリットとして挙げられます。新車は購入時に自動車税や重量税がかかりますが、未使用車は新車登録時に販売店側が各種税金を既に支払っているため、結果的に支払う税金を低く抑えることができます。

デメリット

このようにいいことずくめに思える未使用車ですが、既に車両があるという点がデメリットにつながることもあります。

限られた選択肢から選ばなくてはならない

未使用車は在庫にある車両からしか選ぶことができません。そのため、車種やグレード、ボディカラー、駆動方式など、希望する条件の全てを満たすことは難しいため、車選びの際はある程度の割り切りが必要です。また生産ラインで装着されるメーカーオプションは後付けができないため、メーカーオプションを自由に選択する事は出来ず、在庫車両に装備されているものから選ぶのが基本となります。

新車よりも車検時期が短い

未使用車は新規登録が済んでいるため、次回車検までの期間が3年未満となる点にも注意したいところです。特に長期にわたり在庫として残っていた車両については、特に気を付けましょう。

売却時にワンオーナー車扱いにならない

購入した未使用車を将来下取りに出す予定がある場合は、売却時のことも頭に入れておく必要があります。中古車の場合、いわゆるワンオーナー車一般的に査定額が高くなる傾向がありますが、未使用車は一度ディーラー名義で登録しているため複数オーナー扱いになります。

新車向けの補助金・減税が受けられない

未使用車はコンディションが新車並みだとはいえ、あくまでも中古車扱いになるため、新車購入時に受けられる補助金や減税制度などが受けられません。

未使用車と新車・中古車との比較

下記に新車・未使用車・中古車それぞれの特徴を一覧表にまとめました。

このように一覧を見ると、それぞれ一長一短があるということがわかります。

未使用車と新車・中古車の特徴を改めて確認し、後悔のない車選びをしましょう。

未使用車がおすすめなのはこんな人

未使用車・新車・中古車それぞれの特徴を考慮して、未使用車の購入をおすすめできるのはこんな考えを持った方になります。

未使用車は新車よりもどれくらい安いか？

新車同様のコンディションが整った自動車を中古車として購入する未使用車ですが、中古車扱いになることで価格はどの程度安くなるのでしょうか。

具体的な額は車種により様々ですが、未使用車の価格は一般的に新車と比べて1割～2割程度安いといわれています。

なお、これはあくまでも一般的な車種の場合で、現行型のスズキ ジムニーやランドクルーザーなど、納車待ちの期間が極端に長いモデルでは、需要と供給のバランスが取れないため、未使用車の方が高くなる逆転現象が起きる場合があります。

一方で設定される価格が安い分、新車のような値引きは期待できないと考えましょう。これは、一般的な中古車であまり値引きされないのと同様です。

新車・未使用車にこだわらなければ 中古車という選択肢も

未使用車は新車よりはお得に購入できるというメリットがありますが、必ずしも新車にこだわらないユーザーにとっては、未使用車よりも数年落ちの中古車を購入した方が費用は抑えられます。

未使用車は新車よりは安く購入できるものの、一般的な中古車と比べると車両価格は高くなります。

価格を重視したい方は、未使用車に固執せず、新車や中古車など様々な支払総額をシミュレーションし、トータルでみた場合に未使用車が得かどうかを判断することをおすすめします。

未使用車はいつ、どこで買えるか？

ここまで説明してきた未使用車ですが、実際に購入できる場所をご説明します。

まず新車ディーラーやその系列の中古車販売チェーン店などで、未使用車を買うことができます。自社登録したものをそのまま未使用車として販売するパターンです。

あらゆる販売店に置かれているわけではないですが、一般的な中古車販売店で購入できる場合もあります。このような販売店なら、中古車とのコンディションの差を確認しながら購入できます。

最近増えてきたのは未使用車専門店で、軽自動車の未使用車を専門とする店舗が多いという特徴があります。この場合、複数の未使用車を比較しながら選べるというメリットがあり、専門店のため在庫も豊富です。

また未使用車にターゲットを絞った車選びをする場合、流通量が増える時期についても知っておきたいところです。

モデルチェンジ直後は特に販売実績を残したいため、また納期が長くならないように多めにメーカーへオーダーを出すディーラーは意外に多い傾向です。

また新型モデルへのモデルチェンジが近くなると在庫を処分するため、登録だけしておくというパターンもあるようです。

さらに新車ディーラーの決算期前後でも、実績を残すため余剰在庫を登録するということがあります。

これらの時期は未使用車が出回ることが普段よりも多くなる傾向があり、豊富な選択肢からお得に購入することができるかもしれません。

未使用車の探し方

ここまで紹介してきた未使用車を狙って購入したい場合、効率の良い探し方としてはインターネットを活用したいところです。

GoogleやYahoo!などの検索サイトで「車種名 未使用車」のキーワードで検索をかけ、販売店をピンポイントで探す方法がまず考えられますが、中古車情報サイトを使いこなせば、より効率的な検索も可能です。

中古車情報サイトの多くは車種やボディタイプなど様々な条件で検索できますが、検索条件に「未使用車」がある場合はこれにチェックを入れて検索すると簡単に見つけることが可能です。

また販売店側で「未使用車」という表記をしていない場合でも、走行距離を「短い順」で表示させることで、走行距離数十km程度の未使用車を探すこともできます。

もちろん欲しい車種が決まっている場合ディーラーに足を運んでも良いのですが、未登録車に特化した車選びをする場合は、インターネットを上手に使って効率よく車を探しましょう。

グーネットで探す方法

①グーネットのウェブサイトにアクセスします。
https://www.goo-net.com/

②メーカー・車種等を入力して検索します。

③「車両の状態」から「未使用車」にチェックをします。（PC・タブレットから利用する場合は左部分に表示されます）
（未使用車がない場合、表示されません）

④検索結果から、お好みのクルマを選べます。

カーセンサーで探す方法

①カーセンサーのウェブサイトにアクセスします。
https://www.carsensor.net/

②メーカー・車種等を入力して検索します。

③上部の「絞り込み」から「登録（届出）済未使用車」にチェックし、再度検索します。（PC・タブレットから利用する場合は「もっと詳細な条件を追加する」をクリックして表示させる必要があります）

④検索結果から、お好みのクルマを選べます。

未使用車を探すときのポイント

条件を絞りすぎない

未使用車の購入は、好みに合わせて自由に選ぶことができる新車購入に比べて、選択肢が狭くなるといえます。グレードやボディカラー・駆動方式など、こだわりの条件に100％合致するクルマを見つけるのは難しいこともあるため、条件を絞りすぎず、探してみましょう。

購入に際して、譲れないこだわりがある場合は、新車の購入をおすすめします。

未使用車が出回りやすい時期を知る

未使用車は、各種販売店における決算期の翌月にあたる4月と10月に多く出回る傾向があります。これは、販売目標を達成するために決算期に合わせてディーラーが自社購入を行うためです。

ただし現在は、未使用車が新車納車遅れの影響もあり、以前と比べると通年で未使用車の在庫は少なくなっている傾向にあります。

展示車を好まない場合は確認を行う

未使用車には、多くの来客が手に触れた展示車が含まれます。
不特定多数の人の手に触れていることが不安に思う場合は、その旨をしっかりと伝えることが大切です。

また十分なチェックは入るものの、傷や汚れが見落とされることもあり、新車同様のコンディションという点では若干条件が悪くなります。

保証について確認を行う

未使用車には、新車と同じようにメーカー保証がついています。ただし、メーカー保証を受け継ぐには保証継承の手続きが必要であり、きちんとと保証継承を行わなければ、修理費は全て自己負担になってしまう場合があります。

また購入時、点検整備や保証で必要以上の見積額を提示されるケースもあるので、注意が必要です。

ディーラーに問い合わせる

メーカーから自社買いをすることによって、未使用車が入荷・販売されている可能性があります。来店前には、Webサイトでの情報収集や、電話での問い合わせを通じて、在庫の確認をしたり不安な点を相談したりしておきましょう。

車探しもユーカーパックにご相談ください

今回は、未使用車の様々な特徴やメリット・デメリットを紹介してきました。未使用車の特性を理解して購入できれば、未使用車は非常にお得な購入方法だといえます。

ユーカーパックでは、車の買取・売却だけでなく、未使用車・新古車探しのお手伝いも行っています。お乗り換え先のお車がまだ決まっていない方、気になるお車がある方はぜひ一度、ユーカーパックにお問い合わせください。

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