EV(電気自動車)の維持費をシミュレーション、安く抑える方法を解説します

各社の製品発表をうけ、電気自動車への買い替えを検討中の方もいらっしゃると思います。実際にEVを購入した場合、維持費は大体どれくらいかかるものなのか、維持費の目安をシミュレーションし、ご紹介します。
この記事では、日産自動車の「アリア」と「サクラ」について、車を維持するための費用や税金はどういったものがあるのか、維持費を抑えるためのコツなどを解説していきます。
車の維持にかかるコスト
EVの利用、維持にかかる費用の内訳は、以下が考えられます。
主な維持費
- 電気代
- 自動車税
- 車検
- 任意保険
これらの費用は、所有する車や適用される税制度によって異なってきます。
電気代
日産アリア/サクラの電費カタログ値
電気自動車では、燃料としてガソリンの代わりに電気を使っています。
電気量当たりに走ることのできる距離がガソリン車でいう燃費となり、「電費」といわれています。具体的に、電費とは『1kWhの電気量で走ることのできるキロ数』になります。
今回電気代の計算に際しては、各車種の燃費カタログ値を参照します。
車種 | WLTCモード電費 |
アリア | 7.1km/kWh |
サクラ | 9.0km/kWh |
なお実際に必要な電気代(実電費)の推測においては、はこれらより低い(不利な)数値が出る傾向があります。
1年間にかかる電気代(自宅充電ができる場合)
日産自動車の公式サイトでは、EVの利用に必要な充電費用を計算できるようになっています。
今回はEVの充電を自宅のみで想定し、電気代料金を27円/kWhで計算をしました。
※自宅で充電を行う場合、電力会社との契約アンペア数を上げなくてはならないケースがあり、それに伴い基本料金も上がる場合があります。
年間走行距離 3,000kmの場合
週末のみや近所の移動で車を利用している場合、平均年間走行距離は3,000km程度が目安となります。
車種ごとの電気代は以下のようになります。
年間走行距離 10,000kmの場合
車を日常的に利用したり、通勤で車を利用している場合、平均年間走行距離は1万~1万5,000kmが目安となります。
走行距離1万kmでの車種ごとの電気代は以下のようになります。
1年間にかかる電気代(自宅充電ができない場合)
充電設備が自宅にないケースもシミュレートします。充電スタンド「e-Mobility Power」の会員として、出力50kWhの急速充電スタンドを利用する場合を想定しています。
2023年4月現在、急速充電プランは、月額料金が4,180円(税込)(50,160円/年)、都度利用料金が27.5円/分(税込)で1時間あたり1,650円です。
充電時間は、車種それぞれのバッテリー容量(アリア:66kWh、サクラ:20kWh)より算出しています。
年間走行距離 3,000kmの場合
車種ごとの電気代は以下のようになります。
年間走行距離 10,000kmの場合
車種ごとの電気代は以下のようになります。
日産アリア/サクラの自動車税
自家用乗用車の自動車税区分
アリア/サクラはいずれの車種も排気量0ccで、アリアは25,000円、サクラは10,800円となります。
環境性能割・各種減税制度について
環境性能割
環境性能割とは、車を購入した際に課税される税金です。排気ガス性能や燃費性能などに応じて課税されます。
アリアおよびサクラの環境性能割は、いずれも非課税となっています。
各種減税制度
2023年現在、国の施策として環境に配慮された設計の自動車に対し、税制的優遇が行われています。
アリア/サクラは、「エコカー減税(重量税)」、「グリーン化特例」、『令和4年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」』の対象となっています。
※エコカー減税、グリーン化特例の税優遇を得られるのは、購入の翌年度になります。
※令和4年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」には定められた期間(4年または3年)の保有義務があります。
日産アリア/サクラの自動車税額
年間の自動車税は以下のように計算されます。
※「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」は550,000円となっています。
車検代
車検に含まれる費用
車検は2年に1回で、総額は約7万円程になるとされています。
一般的なガソリン車と比べて交換部品、検査項目が少ないため、車検費用が抑えられるケースが考えられます。車検を依頼する先がディーラーか、車検専門店やSS、整備工場か等によっても異なります。ディーラー以外に依頼するほうが、車検代としては安くなる傾向にあるとされています。
車検費用(法定費用)の内訳は、以下が考えられます。
- 自賠責保険料
- 自動車重量税
- 印紙代
- 点検費用
別途基本手数料、後述のメンテナンス費用が発生する場合があります。
自賠責保険料
自賠責保険料(24ヶ月)は
です。
なお新車購入時は36ヶ月の加入になるため、
です。
自動車重量税
アリアとサクラはエコカー減税対象のため、重量税は2回目の車検まで(初回、3年後、2年後、計3回分)が免税となります。
2回目以降の車検では、
が課税されます。
印紙代
車検の印紙代は指定工場で1,200円、認定工場で1,800円が掛かります。
任意保険料
車両保険・年齢・等級について
任意保険の代金を計算する際、車両保険の有無で金額が異なってきます。
また、被保険者の年齢と等級によって、保険料は異なります。
日産アリア/サクラの任意保険料
損害保険料率算出機構提供の2021年度「損害保険料率算出機構」によれば、アリア(普通自動車)とサクラ(軽自動車)の平均保険料は以下のようになっています。
なお、EVによって割引を行う保険会社もあります。
ソニー損保では「電気自動車割引」、アクサダイレクトでは「EV割引」が実施されています。
日産アリア/サクラのメンテナンス代
オイル交換代
ガソリン車の場合、オイル交換等の整備費用が発生しますが、電気自動車の場合特段の整備費用はありません。
ただしタイヤ消耗や故障・キズの発生に応じて別途費用がかかる場合があります。
日産アリア/サクラの年間維持費
維持費の総額(走行距離3,000kmの場合)
グレード | アリア | サクラ | アリア | サクラ |
自宅の充電設備 | あり | なし | ||
電気代 | 11,958円 | 9,550円 | 64,104円 | 61,106円 |
自動車税 | 6,500円 | 2,700円 | 6,500円 | 2,700円 |
車検代 | 35,000円 | 35,000円 | 35,000円 | 35,000円 |
任意保険料 | 74,439円 | 50,694円 | 74,439円 | 50,694円 |
合計 | 127,897円 | 97,944円 | 180,043円 | 149,554円 |
走行距離3,000km/年の場合、アリアは約13~18万円、サクラは約10~15万円となりました。
維持費の総額(走行距離10,000kmの場合)
グレード | アリア | サクラ | アリア | サクラ |
自宅の充電設備 | あり | なし | ||
電気代 | 38,574円 | 30,547円 | 96,639円 | 86,827円 |
自動車税 | 6,500円 | 2,700円 | 6,500円 | 2,700円 |
車検代 | 35,000円 | 35,000円 | 35,000円 | 35,000円 |
任意保険料 | 74,439円 | 50,694円 | 74,439円 | 50,694円 |
合計 | 154,513円 | 118,941円 | 212,578円 | 175,221円 |
走行距離10,000km/年の場合、アリアは約15~21万円、サクラは約12~18万円となりました。
維持費をより抑えるには?
カーリースやサブスクを検討する
個人向けカーリースやサブスクリプションサービスでは、車検代やメンテナンス代、任意保険料などが利用料金に含まれるものがあります。
クルマの利用頻度などに応じて、検討してみましょう。
定期的にメンテナンスを行う
車の維持費を少しでも抑えたい場合は、自身でできる範囲のメンテナンスは定期的に行う癖をつけましょう。メンテナンスをこまめに行うことは、車を良いコンディションに保ち、故障を防ぐことが出来ます。
例えば、タイヤの空気圧が減少しているのに放置していると、タイヤの摩耗が進む、エンジンに負荷をかけるなどのデメリットを引き起こします。結果的に修理代や交換代がかかるので、ガソリンスタンドなどでこまめにタイヤの状態を見てもらいましょう。
また、タイヤは前後左右で摩耗が進むスピードがそれぞれ異なるため、定期的にローテーションを行うとタイヤの寿命を伸ばし、より長持ちさせることが出来ます。
任意保険を見直す
意外と見落としがちなのが保険料の見直しです。
任意保険は保険会社のプランによって、補償内容や費用が異なります。なかなか保険内容のチェックにまで気が回らないかもしれませんが、しっかりと見直すことで保険料が安くなるケースがあります。
他の保険会社とプラン内容の比較検討を行い、より安価なプランや保険会社に乗り換えるのもいいでしょう。
その際には「補償内容の抑えすぎ」に注意が必要です。車両保険を無くした結果、自損事故で修理費用を払えなくなってしまう、など万が一の事態の際でも困らないプランを選びましょう。
まとめ
EVの日産アリア・サクラについて維持費の算出と、維持費を安くする方法を解説しました。
現在ガソリン車に乗っていて、新たに電気自動車に乗り換えようと考えている方もいらっしゃるかと思います。電気自動車はガソリン車と比べて維持費が抑えられる特徴がありますが、車両価格はガソリン車よりも高いため、お得に乗り換えるには愛車をできるだけ高く売ることがポイントです。
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