カーリースとは？メリットとデメリットを知って上手に使いこなそう

月額料金で車を使えるお得なサービス、カーリースとは？

音楽の聴き放題サービスや動画の見放題サービスなど、近年、月額料金を支払えばサービスや商品を自分の物のように使えるサブスクリプション型のWebサービスが増えてきました。

カーリースは月額料金を支払うことで車を自由に乗ることができるサービスで、いわば車のサブスクリプション型のサービスと言えるでしょう。

実はカーリース自体はサブスクリプションという言葉が生まれる遥か前、今から半世紀前に既に始まっており、もっぱら法人向けのサービスとして発展してきました。

個人向けのカーリースは1990年頃より始まり、ここ数年急成長しています。矢野経済研究所の調査によると、個人向けカーリース（オートリース）車両の保有台数は2018年3月末時点で25万7千台となっており、2022年には93万6千台に増加すると予想されています。

（出典）矢野経済研究所　プレスリリース「2022年度の個人向けオートリース保有台数を93.6万台と予測」

カーリースの仕組み

カーリース商品の中には、リース期間が終了した際に車を購入できるものもあります。

その場合、ローンで車を購入するのとあまり変わらないように思われますが、カーリースでは車の購入時や維持のために掛かる様々な費用や税金が、月々の支払いに含まれている契約（メンテナンスリース）を組むことができます。

この点が、カーリースとローンとの大きな違いです。

また、カーリースでは「残価設定」ができるというのも特徴の一つです。

残価設定とは、車の将来の価値（残存価格）を決めたもので、カーリースの場合、契約満了時に車にどれだけ価値が残っているのかを、最初から決めることになります。

例えば300万円の車を3年契約で残存価格を100万円とします。従来のローン契約であれば、この300万円を3年で分割して返済する形になりますが、カーリースの場合は、300万円から残存価格100万円を引いた200万円を、3年で支払うため、通常のローンと比べると月々の負担額が安くなるのです。

近年では新車ディーラーを中心にローンでも残価設定ができる「残価設定型ローン」が登場していますが、車にまつわる費用を含めて毎月の出費を一定に抑えたいという方はカーリースがおすすめと言えます。

また、カーリースの契約形態には『オープンエンド型』と『クローズドエンド型』の2種類がありますので、それぞれについても把握しておきましょう。

オープンエンド型 カーリース

オープンエンド型とは、契約満了時にリース会社が利用者に対し、残存価格を公開する契約のことです。

仮に残存価格を100万円と設定していたとしても、契約満了時に本当に100万円であるとは限りません。残存価格を利用者に公開することで、そのズレを精算するのがオープンエンド型のリース契約です。

仮に契約満了時に実際の車の価格が残存価格より大きければ、その分の差額を利用者は受け取ることができます。逆に、残存価格が少なければ差額分を支払わなければなりません。

リースしていた車を購入する際にも、この残存価格が引かれた金額をあらかじめ買取金額から差し引くことができます。

クローズドエンド型 カーリース

こちらはオープンエンド型とは逆に、契約満了時、利用者に残存価格を公開しない仕組みです。満了時の価格が残存価格より大きくても小さくても、利用者側は精算する必要はありません。

こちらの契約の場合、残存価格を支払っても車を買い取ることができないというのが、オープンエンド型とは大きく異なる点でもあります。

カーリースのメリット

ここからは、カーリースにはどのようなメリットがあるのかを具体的に解説します。カーリースを利用する際に、次の点を踏まえた上で検討するようにしましょう。

まとまった資金が手元になくても車が手に入る

通常、車を購入するにあたっては、通常数十万円の頭金が必要になります。

また、購入時には自動車税や重量税などの税金のほか様々な諸経費が掛かり、維持にもメンテナンス費用や車検費用などが掛かるなど、車を保有するにはなにかとお金が掛かるものです。

カーリースの場合、基本的には頭金は不要であり、かつ車検代などは月々の支払いに含まれる場合もあるため、まとまった資金がない人でも自分で自由に使える車を手に入れることができます。

ローンよりお得に車に乗れる？

先述したように、カーリースなら、ローンを組んで返済をしていくよりも残存価格の分だけ月々の支払いを安くできる可能性があります。

ただし、オープンエンド型の契約では契約満了時に精算することになるため、このときの価格のズレによっては多額の請求がある場合もあります。

また、契約内容によっては契約完了時に、車をリース会社に返却する可能性もあるため、長期的に見てお得かどうかは、契約するカーリース商品の内容次第です。

車選びや廃車手続きなど手間が少ない

カーリースで選べる車の種類は豊富で、話題の新車をはじめ、広く車種を選ぶことが可能です。カーリースの対象となる車は、新車に限らず中古車も含まれます。

新車カーリースの場合はカラーやグレードの指定もできるため、自分の要望通りの車に乗れるのもメリットでしょう。中古車カーリースなら、月々の支払額をさらに抑えることができます。

また、車を購入した場合では、車を乗り換える際に廃車や買取の手続きは持ち主が行わなければなりませんが、カーリースの場合、それらはリース会社にすべて任せることができます。

このように車を乗り換えるときに、手間が少ないのもカーリースのメリットです。

カーリースのデメリット

一方、カーリースにはどのようなデメリットがあるのでしょうか？デメリットも踏まえた上で利用を検討しましょう。

基本的にはカスタマイズできない

カーリースでは、契約満了時には車を返却することが前提となります。その際には車は原状回復することが求められるため、契約内容に改造が禁止されていたり、改造やパーツの取り替えなどを行った場合、最終的には自費で元に戻す必要があります。

そのため、カーリースでは契約期間中のカスタマイズは基本的にできないと思っておいた方が良いでしょう。

月間走行距離が制限される

カーリースでは、月間走行距離の制限があります。

これは、車の摩耗や価値の低下を防ぐためです。リース会社によって異なりますが、一般的に500～2000kmを上限としているサービスが多くあります。

もしこの距離を超えた場合、契約満了時の精算の際に追加金を支払うことになるのが一般的であるため、仕事などで毎日長距離乗る予定のある場合は、少し余裕をもたせた走行距離の設定を行いましょう。

逆に近距離や週末のレジャーでの使用等で走行距離があまり多くないことが想定される場合は、長くしすぎず適切に走行距離を設定することで支払い金額を抑えることが出来ます。

契約途中の解約ができない

基本的にカーリースでは原則的に契約の中途解約は認められていません。契約途中で欲しい車が出てきたり、ライフスタイルの変化によって乗車人数が増え、車に不便を感じたりしてもそのまま満期まで使い続けることが求められます。

もし仮にやむを得ず中途解約が必要な場合は、多額のキャンセル料や違約金が請求される可能性があります。

契約前には、契約期間中にライフスタイルが変わる可能性がないかを事前によく考えて、契約書に目を通しておきましょう。

傷やへこみを付けた場合、違約金が発生することも

カーリースの契約では、契約書の中に「傷やへこみをつけてしまった場合、速やかにリース会社に報告すること」が記載されている場合があります。これに違反してしまうと、違約金が発生する可能性もありますので注意が必要です。

また、大きな傷やへこみをつけてしまうことそのもので違約金が発生し、満了時の精算で請求されてしまうこともありますので、傷やへこみを作ってしまった場合の対処についても、契約書をよく読んでおくようにしましょう。

カーリースの気になる疑問

カーリースの仕組みに慣れていない人にとっては、さまざまな疑問・質問もあるでしょう。

カーリースを利用する上で、あらかじめ抑えておきたいポイントについて解説します。

カーリースとレンタカーの違いは？

どちらも車を借りるカーリースとレンタカーですが、大きな違いは「借りる期間」「ナンバープレート」「名義」です。

借りる期間

レンタカーの場合は、おおよそ数時間～数ヶ月程度での契約ですが、カーリースの場合は１年～数年単位の場合が多いです。

ナンバープレート

レンタカーの場合、ナンバープレートには『わ』や『れ』の文字が入りますが、カーリースの場合は『わ』や『れ』ナンバーにはなりません。

また、カーリースでは通常の車の購入と同様、希望ナンバーを選択することも可能な場合があります。

名義

どちらも所有者の名義は契約者本人ではなくリース会社やレンタカー会社になりますが、使用者の欄が異なります。

レンタカーの場合、使用者はレンタカー会社となりますが、カーリースの場合は契約者本人の名前が記載され、契約者が車庫の確保をしなければなりません。

契約期間、車検はどうなる？

カーリースの場合は車検を行う必要があります。車検については、リース会社が指定した工場に車を運び、車検を受けなければならないケースがほとんどです。

もっとも、車検に掛かる費用については、あらかじめ月々の支払いの中に含まれている場合と、自己負担となる場合の2パターンがあるため、契約時にあらかじめリース会社に確認を取っておきましょう。

カーリースの契約期間はカーリース商品によって異なります。契約期間をどれくらいの長さにするかについては自身のライフスタイルや計画に合わせて選ぶようにしましょう。

リース期間中の任意保険は？

自賠責保険については加入義務があるためリース契約を結ぶのであれば加入は必須となりますが、任意保険は文字通り、加入するかどうかは利用者に委ねられることになります。

任意保険は、万が一事故などで車に重大な損害を受けたり、逆に与えたりした場合に、自賠責保険では補償しきれない部分をカバーしてくれます。そのため、任意保険にも加入しておくことを強くおすすめします。

なお、保険会社によっては、カーリース専用の保険プランを用意していることがあるため、契約前に下調べをしておくと良いでしょう。

審査はどんなもの？定職についていなくても契約できる？

カーリースは月々の支払いが抑えられるという特徴から、費用負担が少なく、手軽に車に乗りたいユーザーに人気が高くなっています。

一方、カーリースにもローン同様、審査はあります。審査に通らなければカーリース契約を結ぶことは出来ません。

基本的な内容については、住宅ローンやカードローンと同様です。収入額や安定性、過去の債務状況や現在債務がないかといった点を信用機関に照会して審査が行われます。

パートやアルバイト、学生や専業主婦の方でも、審査に通ればカーリースの契約は可能です。

ただし学生の場合は親権者の同意が、またパートやアルバイト、専業主婦の場合は連帯保証人が必要となり、親権者や保証人の収入や債務状況が審査に影響すると言われています。

カーリースに向いている人はどんな人？

ここまで記述してきたように、カーリースにはレンタカーやローンとはまた違った特性があります。そのため、カーリースの利用を検討する際には、自分がこの特性に向いているかどうかを見極める必要があります。

その目安のひとつとして、カーリースを利用するメリットが高い人について、以下で紹介します。

使用期間が長期間ではない人

車の買い換えまでの期間は、新車で10年、中古車でおよそ5年程度と言われています。この期間を超えて同じ車に乗るようでしたら、実際に車を買ってしまう方がお得である可能性が高いです。

また、カーリースは傷やへこみについては厳しい契約条件が課されることが多いとされています。一方、長く乗ればそれだけ傷やへこみが生じるリスクが高まります。

そのため、長期間の使用はせず、数年で乗り換えを考える方に向いていると言えるでしょう。

乗りたい車があるけど、まとまった資金がない人

先述したように、車を購入する場合には頭金の用意が必要なため、ある程度まとまった資金がないと車を手に入れるのは難しいのが現状です。

しかし、カーリースの場合、頭金は不要である場合が多いため、現時点でまとまった資金を持ち合わせていない人でも事前の審査に通れば車を所有することが可能です。

また、車は必要だけれど、金銭面で乗りたい車はまだ買えない、いずれは購入したいと考えているなら、当面は中古車カーリースで費用を抑えて、資金を貯めるというのも良い方法でしょう。

車が必要だけれど、できるだけ出費を抑えたい人

カーリースの場合は「メンテナンスリース」形式として、車検代や自動車税、消耗品代を月々のリース代に含めることが可能です。

そのため、毎月の支払い費用を把握しやすく、出費を一定に抑えたいという人におすすめです。

カーリースについてもっと詳しく知りたい方

個人向けカーリースに関しての解説やリース会社・車種別の情報をもっと詳しく知りたいなら、Webサイト「くるまりこちゃん」がおすすめです。

ぜひこちらのサイトもチェックしてみてはいかがでしょうか。

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